韓国語乱数放送

 韓国から放送されている乱数放送。1970年代の終わりに初めて受信されたが、その目的や実態はよくわかっていない。
 2000年まで放送されていた北朝鮮のA3放送が一般的によく知られていたのに対し、この放送に触れた一般の文献は見あたらないようだ。 電文を放送する際のアナウンスの表現が韓国特有の言い回しをしていたものもあったため、「韓国語乱数放送」とは名付けられていたものの、長い間送信地は「韓国と思われる」とされてきたが、2004年になって送信地が韓国であることが確認された。
 約25年の歴史の中で、活発に放送されていた時期とそうでない時期があったが、ここ数年はパターン化されてきている。
 この放送が出現するのは主に2100と2300〜0100の0分または30分からで、5715kHzと6215kHzをメインに、これまで周波数は4500、4600、5115、5450、5550kHzなどでも受信されている。いずれも韓国の歌謡曲などを開始音楽にして始まる。音楽はこれまで様々な曲が確認されている。また、電文対象も数字のみでなく、コードネームが使用されていたことがあった。乱数本文も5桁のものと4桁のものがある。時には開始音楽だけで終了してしまうこともある。


開始音楽

 開始音楽は基本的には韓国の歌謡曲だが、歌曲、民謡、それに北朝鮮の「金日成将軍の歌」が使われていることもあった。過去に使われた主な開始音楽のサンプラーを別にまとめた。


電文対象の例

008号
1346号
1654号
2133号
2345号
2626号
3535号
3825号
4545号
5335号
5858号
7979号
9393号
9590号など


アナウンスのパターン

 乱数の基本パターンとしては、開始音楽の後、電文の対象と組数が次のようにアナウンスされる。
 「2133号、2133号、電文受け取ってください。組数24組。本文読み上げます。」
 そして、1回目の朗読は5桁電文の場合は3桁と2桁に区切って、4桁電文の場合は2桁ずつに区切って読まれる。
 一通り朗読が終わると、「本文再び読み上げます」とアナウンスがあり、2回目は5桁、あるいは4桁を区切らずに読む。電文の最後に「以上です。有り難うございます」というアナウンスで放送終了となる。


数字のアナウンス

 この乱数放送の特徴としては、電文本文では7(チル)と聞き誤りやすい1(イル)を、漢字の数詞ではなく固有語の数詞で「ハナ」と読んでいることである。
 数詞のアナウンスをオーディオファイルにまとめた。

 0〜9  10〜90  100〜900  1000〜9000  10000〜90000





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(C)2004 アジア放送研究会

2004.6.6更新


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