特定失踪者問題調査会の北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」
2006年1月1日より家族の声を放送
「しおかぜ」プロジェクト拡大へ!


2300〜2400・0400〜0430 5890kHz
その他、放送内容の詳細は、「近隣諸国放送情報板」もご参照ください。

 特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)の北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」は、情報提供先として私書箱を設置するなど、情報収集機能も含めたプロジェクトとして拡大することを発表した。
 以下は12月26日に開かれた記者会見からの要約である。

会見する荒木代表(左)と
惠谷常務理事

 10月30日より(正確には31日零時半より)スタートした「しおかぜ」はほぼ軌道に乗り、12月8日からは1日1時間半とすることができた。放送開始当時及び時間延長当初は若干のトラブルがあったが、現在はそれも概ね克服でき、かなりの広範囲で聴取されていることがわかった。
 そこで、平成18年にはさらにこのプロジェクトを拡大強化する。

1.情報収集機能も含めたプロジェクトへ
 「しおかぜ」の短波放送を流すだけではなく、流してからそれに反応して出てきた情報を収集するということをこのプロジェクトの中でやっていく。現在、拉致被害者への呼びかけ放送には「可能であれば情報を日本に出してもらいたい」との文言を繰り返して入れている。今後、これに呼応して情報が出たときに、それをいかに早くキャッチできるかが問題となるわけで、その情報収集機能をプロジェクトに加える。
 具体的には
(1)東京中央郵便局に私書箱を設置する。
 放送の中に「東京中央郵便局私書箱1022号(12月26日、番号決定)に情報を送ってください」という内容を元日の放送から入れていく。
(2)他の組織との連携を進める。
 情報の収集のため、日本国内の各情報機関、北朝鮮関係NGO、韓国の拉致被害者家族会及び北朝鮮関係NGO、報道機関等との連携を強め、情報を集積し、拉致被害者の居住地、状況の特定を行います。今回、惠谷治(えや・おさむ)さんに常務理事になってもらったのも、この部分についての我々の強化を図るためである。できるだけ時間をかけないで情報を収集していきたい。それも、単にこういう情報があるということだけではなく、いつ誰がどこに住んでいるのか、また可能であればその人がどういう意向であるかを含めて調べ出すということまでなんとかもっていきたい。

2.放送の内容充実
 当面は現行の1時間半放送を継続するが、資金的目処が立てばさらに延長する。年間1000万円ほどかかるため、おいそれとはできないが、できるだけ早い時期に延長もしていきたい。また、ソウルのNGOが「しおかぜ」と同様の方式でやっている「自由北韓放送」(「開かれた北韓放送」の中で放送)に対しては北朝鮮による電波妨害が行われているが、「しおかぜ」に対して行われた場合は周波数の複数化等も考慮する。但し、その場合は金額も倍になるため、簡単にはいかないが考慮していきたい。
 また、放送内容は現在行っている第一段階(氏名読み上げ)、第二段階(メッセージ代読)以外に次の内容を加えていく。
(1) 第三段階(家族による直接の呼びかけ)を元日の放送から実施する
(2) 氏名の読み上げをできるだけ広範囲にわかるようにするため、英語、朝鮮語、できれば中国語(北京語)で行う
(3) 情報をさらに向こうに伝えるという意味で、どういう風に日本で拉致問題が起きているか、拉致問題とはどういうことかを伝えるために、朝鮮語(北朝鮮内部・中国朝鮮族等向け)、英語(英語圏の関係者向け)、北京語(中国人向け)による情報発信を行う

 急に番組改編はできないが、順次やっていきたい。

3.資金の確保
 このための費用は放送にかかる費用が現在の1時間半で当初見積より高くなったため現在のままでも年間約1000万かかる。今後延長ないし周波数の複数化をすれば2000万円以上が必要になる。また、夜、事務所でやっていくこともできなくなるので、部屋を確保するなど、相当の予算がかかる。さらに、情報収集費用もその内容によって金額は極端に変化するが、最低限1000万円程度は必要である。これらの金額を調査会の通常経費以外に確保する必要があり、一般のカンパ以外に拉致議連、労働組合等の組織による援助のバックアップをお願いしていきたい。尚、調査会では失踪者の家族からはカンパ等は一切頂いていないが、「しおかぜ」の第三段階に関してだけ、希望する家族だけ、1回について5分以内ということで3万円のお金を頂戴して、10回以上放送するということで了解を頂いてやっている。

 12月16日、22日の大阪と東京の大集会の前に、失踪者の家族懇談会を開催した。その中で、非公開の失踪者の家族で「しおかぜ」の対応を希望する家族がいたので、メッセージの代読を、氏名を読み上げずに、尚かつ本人が聞けばわかる情報を入れる形で流していく。

 その他、質疑応答から
 1月1日の番組は通常とは違い、直接の呼びかけをメインに、1日の23時〜24時と2日の4時〜4時30分と、時間があいてしまうが、3部構成で放送する。直接の呼びかけは家族会6人、特定失踪者の家族など、元日の放送で16人以上を放送すべく、編集中である。呼びかけの時間はばらばらで、長い方で5分、短い方で2分程度である。
 「しおかぜ」を通じての新しい情報はまだ無い。中国などから「(放送を)聞いた」というのは来ているが、北朝鮮で直接、拉致被害者を含めて日本語ネイティブの方が聞けたという証拠になるものは今のところ無い。
 「開かれた北韓放送」とは10kHz違いで、時間もつながっているので、お互いに放送時間を知らせあうようにしていけば聴取の可能性が高まると思っている。今までもメールのやりとりをしているので、連携と取りながらやっていきたい。
 (特定失踪者問題)調査会は任意団体で私書箱を作ることができないので、戦略情報研究所として私書箱を確保した。ただ、「しおかぜ」や調査会の名前でも届くように要請をする。
 


特定失踪者問題調査会では、短波放送のためのカンパを受け付けている
郵便振替口座: 00160-9-583587 特定失踪者問題調査会
通信欄には「短波放送のためのカンパ」と明記のこと

アジア放送研究会では「しおかぜ」の最新情報について、特設ページの他、「放送情報板」でも随時お伝えしています。

放送開始にあたっての10月26日の記者会見はこちら
放送時間延長についての11月25日の記者会見はこちら

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